それは「永遠の別れ」

新年度ですね。

改編期です。


今回は大きな改編はなかったわたくしですが、

なんというか、独特な雰囲気を毎回感じておりまして。


特に「長く続く番組」って、不思議な感覚を持つんですよね。

「ある」というより、「いる」という感じ。


その番組はもう「生き物」になるというか。

空間と時間、人(出演者&スタッフ、リスナー)、細かく言えば

テーマ曲、一連の流れ、出演者の声。

それがいつも同じ場所にあって、

その時だけ一緒に過ごす。時には戦友のような感じになる時もある。


そして突然、それが終わるんだ。


もちろん、「終わりますよー」の連絡はひと月ほど前に

あったとしても、終了は本当に急に感じる。長寿番組ほどそうだ。


そしてその番組はもう戻らない。二度と戻らない。

復活したとしても、続きじゃない。絶対に別のもの。


だから番組の最終回とは、「番組」という「生き物」と

「人」との「永遠の別れ」なんです。


でもそうも言ってられない。だって新番組が始まるから。

また新しい出会いがあって、新しい環境が生まれ、

新しい「生き物」が誕生する。


ずっとそれの繰り返し。


ある時期、とても名残惜しい番組があった。

もうあの時には戻れない、みんなとも会えない、

と思ったら本当に辛くて、しがみついてたことがあった。


ま、それは間違いなんだけどね。

だって新番組に失礼だもの。

それに気づいて、私は以降決心した。


私の人生は廻っている。

振り返らない。もう未来しか残っていないのだから。

やることは決まっている。


新しい「生き物」との日々をいかに幸せに過ごすかだ。


今期、番組と別れを告げた同業者の仲間たち。

本当にお疲れ様でした。


彼(彼女)が、次のスタジオで待っていますよ。





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